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2023.04.26
新商品情報
Nostalgic Story
幼い頃、誰もが一度は夢見た童話の世界をクロス・ステッチで表現しました。
14カウントのアイーダを使用した、刺しごたえのあるキットです。
クロス・ステッチに没頭するとともに、物語の世界をお楽しみください。
幼い頃、読んでもらったあの物語にも、大人になった今だから、新しい「気づき」があるかもしれません。
幸せって何? 悪って何?
ちょっと深読みしながらも、みなさまと物語の素敵な思い出を壊さぬよう、大切に制作しました。
チクチクしながら、いろんな思いも楽しんでいただけるとうれしいです。
Nitka
発売日・・・2023年5月下旬
キット・・・各5,060円(税込)
難易度・・・上級者向け
出来上がり寸法・・・
7569と7571:額外径:約縦25.9cm×横32cm、額内径:約縦23.4cm×横29.5cm
7570と7572:額外径:約縦32cm×横25.9cm、額内径:約縦29.5cm×横23.4cm
※使用フレーム:W-58、W-59(別売)
7569 白雪姫
むかしむかし、とある国に、白雪姫という名の、雪のように白い肌をした美しい王女と、その継母のお妃様がいました。
お妃様は魔法の鏡に聞きました。
「鏡よ鏡、世界で一番美しいのはだぁれ?」
魔法の鏡は答えます。
「一番美しいのはお妃様、あなたです」
魔法の鏡はつづけて言いました。
「しかし、白雪姫はお妃様よりもっと美しい」
悔しくてたまらないお妃様は、狩人に白雪姫を森に連れていき、殺すように命令しました。
しかし、狩人は白雪姫をかわいそうに思い、森の奥へと逃がしてやりました。
白雪姫が森をさまよっていると、七人のこびとが暮らす小さな家を見つけます。
こびとたちは美しい白雪姫を歓迎し、働き者のこびとたちと白雪姫は、楽しく暮らしていました。
しばらくしたある日、お妃様はまた魔法の鏡に尋ねました。
「鏡よ鏡、世界で一番うつくしいのはだぁれ?」
魔法の鏡は答えます。
「世界で一番美しいのは白雪姫です。」
それを聞いて、白雪姫が生きていると知ったお妃様は怒りに震え、自らの手で白雪姫を殺すために、毒リンゴを作ることにしました。
毒リンゴが完成すると、お妃様は物売りに変装をして、白雪姫が暮らすこびとの家に行きました。
「おいしいおいしいリンゴだよ。さぁ、一口どうぞ」
白雪姫がリンゴを受け取って一口かじると、バタリと倒れてしまいました。
こびとたちは、白雪姫が死んでしまったと知ると、悲しくて悲しくて、泣き続けました。
とても土に埋めることはできないと思ったこびとたちは、ガラスの棺を作り、白雪姫をそこに寝かせます。
またある日、隣の国の王子が、家来を連れて棺の近くを通りかかりました。
王子は棺の中の白雪姫に目をとめると、どうしても連れて帰りたくなり、家来にガラスの棺を持つように言いました。
王子の家来がガラスの棺を持ち上げると、ぐらっとガラスの棺が揺れ、その拍子に白雪姫の喉につかえていた毒リンゴのかけらが取れました。
白雪姫がパチリと目を覚まします。白雪姫は死んでいなかったのです。
白雪姫は王子と一緒に隣の国へ行き、いつまでもずっと仲良く暮らしました。
7570 人魚姫
深い深い海の底に、人魚の住むお城があり、6人のお姫様が暮らしていました。
お姫様たちは、15歳の誕生日を迎えると、海の上の世界に出ることができます。
一番下の人魚姫も15歳の誕生日を楽しみにしていました。
そして、とうとう人魚姫が15歳の誕生日を迎え、初めて海の上の世界に出てみると、そこには大きな船が浮かんでいて、王子の誕生パーティーが開かれていました。
「なんて素敵な王子様なんでしょう!」
人魚姫が王子を見つめていると、急に風と波が強くなり、大きな波が王子の乗った船を飲み込んでしまいました。
人魚姫は溺れている王子を見つけると、岸まで運んで助けてあげました。
するとそこへ、美しい娘が通りかかったので、人魚姫が岩陰に隠れると、娘は王子を見つけて抱き起しました。目を覚ました王子は、その娘が助けてくれたと思ってしまいました。
海の底に戻った人魚姫ですが、王子を忘れることができず、会いたくてたまらなくなり、とうとう海の魔女を訪ねます。
「どうか私を人間にしてください!」
「この薬をあげよう。その代わりにおまえの美しい声をもらうよ。
そしてよぅく覚えておきなさい。もし、王子と結ばれなければ、お前は水の泡となって消えてしまうよ。いいね、覚えておくんだよ」
海の魔女は人魚姫に薬を渡して言いました。
人魚姫が王子の住むお城の近くで、海の魔女にもらった薬を飲むと、気を失ってしまいました。
目を覚ますと、王子が近くに立っています。
王子は人魚姫を気に入り、いろいろなところへ連れて行ってくれました。王子と一緒にいられて人魚姫はとても幸せでした。
ところがある日、王子は人魚姫に言いました。
「嵐の日に助けてくれた隣の国のお姫様と結婚することにしたよ」
声を失った人魚姫は、心の中で叫びます。
「王子様!王子様!嵐のなか溺れるあなたを助けたのはこの私です!」
どれだけ叫んでも、声を失った人魚姫の叫びは届かず、王子を悲しく見つめることしかできません。
王子の結婚式の夜、人魚姫のお姉さんたちが海の上にやってきて、人魚姫にナイフを渡しました。
「このナイフで夜明けまでに王子の胸を刺しなさい。そうすればあなたは人魚に戻れるわ!」
大好きな王子様を刺すくらいなら、海の泡となって消えた方がずっといいわ。
人魚姫はナイフを海に捨てると、自分も海へ飛び込みました。
そうして、キラキラと朝日に輝く泡になって海に消えていきました。
7571 親指姫
むかしむかし、花の中から親指ほどの大きさでうまれた、親指姫と呼ばれる女の子がいました。
ある晩、親指姫が眠っているところにヒキガエルがやってきました。
ヒキガエルは親指姫を見つけると、「おやおや、かわいい女の子だ。息子のお嫁さんにぴったりだ」と、眠ったままの親指姫を連れて行き、小川に浮かぶ睡蓮の葉に乗せました。
目が覚めると全く違う場所にいた親指姫は、ヒキガエルの息子の嫁にされることを聞きました。
「ヒキガエルのお嫁さんになんてなりたくない!」
怖くて悲しくて、親指姫が泣いていると、それを見ていた魚たちはかわいそうに思って睡蓮の葉の茎をかみ切って親指姫を助けます。
親指姫を乗せた睡蓮の葉が小川を流れていると、今度はコガネムシが飛んできました。コガネムシは親指姫を掴むと森へ飛んでいき、置き去りにして去っていきました。
夏が過ぎ、秋から寒い冬になり、森の中でひとりきりで親指姫がさまよっていると、野ネズミのおばさんの家を見つけました。
「寒かったろう、中へお入り。冬の間ここにいていいんだよ」
と野ネズミのおばさんが言うので、親指姫は野ネズミのおばさんの家で暮らすことにしました。
ある日、隣のモグラが堀ったトンネルを歩いていると、ツバメが倒れています。
親指姫は、枯草で編んだ毛布を掛けてやり、冬の間中食べ物を運んであげました。
すっかり元気になったツバメは春になると飛び立っていきました。
そんな時、親指姫は隣のモグラに結婚を申し込まれました。
お日さまを嫌いな隣のモグラを好きになれないと断ろうとしますが、野ネズミのおばさんは「金持ちになるんだからいいだろう」と言って許してくれません。
とうとう結婚式の日が来て、お日さまと最後のお別れをするために親指姫が地上に出ると、突然ツバメが飛んで来て言いました。
「私はあなたに助けてもらったツバメです。さあ、私にお乗りなさい!」
ツバメは親指姫を背中に乗せて飛び立ちます。
海を越え、山を越え、美しい花の国にたどり着きました。
すると花の中から王子が現れました。
「よく来たね」
そう言うと親指姫の頭にそっと冠を乗せました。
親指姫は花に囲まれて、王子と一緒に幸せに暮らしました。
7572 くるみ割り人形とネズミの王様
クリスマスの夜、マリーはたくさんのプレゼントの中から、くるみ割り人形を一目で気に入りました。ところがマリーのお兄さんが、無理やりに大きくてかたいくるみを割ろうとしたので、くるみ割り人形の顎が壊れてしまいました。
その夜、壊れてしまったくるみ割り人形が心配で眠れないマリーは、ベッドを抜け出してくるみ割り人形をしまってある戸棚をのぞいてみました。
ボーン…ボーン…。
柱時計が真夜中を告げるとその時、どこからともなくたくさんのネズミが現れました。
マリーが悲鳴を上げると、今度は戸棚の中から、おもちゃの兵隊たちが楽器を鳴らしながら飛び出してきました。なんと、隊長はくるみ割り人形です。
おもちゃの兵隊たちが倒しても、倒しても、ネズミたちは起き上がって向かってきます。ネズミの王様がサーベルでくるみ割り人形に襲い掛かります。
「あぶない!」マリーは思わずスリッパをネズミに投げつけました。
すると、とたんにネズミもおもちゃの兵隊たちも消えてしまい、あたりは真っ暗になりました。どこからともなく声が聞こえます。
「マリーさん、僕は呪いでくるみ割り人形に変えられていました。助けてくれたお礼に、僕の国を案内します」
見るとそこには、美しい王子が立っていました。
最初に雪の精が輝く真っ白な雪の国へ行き、次にはお菓子の国へ着きました。
たくさんの妖精がかけよってきて二人を迎えます。
「王子様を助けてくれてありがとう!お礼にパーティーを開きましょう!」
クッキーの精、キャンディーの精、花の精、みんなが踊りを見せてくれました。
最後に登場したのは王子とこんぺいとうの精で、そのエレガントな美しさにマリーは思わずため息をついて言いました。
「まるで夢のようだわ」
すると王子がマリーにささやきます。
「マリーさん、君のことは忘れません」
次の瞬間、マリーはベッドの中で目を覚ましました。
「あれは夢だったの?」腕の中のくるみ割り人形に問いかけますが、くるみ割り人形の目は優しく輝くだけでした。