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2025.04.24
新商品情報
Nostalgic Story 第3弾
幼い頃、誰もが一度は夢見た童話の世界をクロス・ステッチで表現しました。
14カウントのアイーダを使用した、刺しごたえのあるキットです。
クロス・ステッチに没頭するとともに、物語の世界をお楽しみください。
シリーズ第3弾となる今回は、
定番のハッピーエンドストーリー『シンデレラ』『みにくいアヒルの子』に加え、
ほっこり優しい気持ちになるような『こびとの靴屋』『てぶくろ』と、バラエティ豊かな4作が仲間入り。
Nostalgic Storyはさらに充実した全12作になりました。

幼い頃、読んでもらったあの物語にも、大人になった今だから、新しい「気づき」があるかもしれません。
幸せって何? 悪って何?
ちょっと深読みしながらも、みなさまと物語の素敵な思い出を壊さぬよう、大切に制作しました。
チクチクしながら、いろんな思いも楽しんでいただけるとうれしいです。
Nitka
発売日・・・2025年5月下旬
キット・・・各5,060円(税込)
難易度・・・上級者向け
出来上がり寸法・・・
7594…額外径:約縦32cm×横25.9cm、額内径:約縦29.5cm×横23.4cm
7595・7596・7597…額外径:約縦25.9cm×横32cm、額内径:約縦23.4cm×横29.5cm
※使用フレーム:W-58N、W-59N(別売)
7594 シンデレラ

「さぁこれで舞踏会に行ってらっしゃい。ただし、真夜中過ぎまでいてはいけないよ、魔法が消えてしまうからね」
そう言うと、最後にガラスでできた美しい靴を渡しました。
シンデレラは、ガラスの靴を履くと、カボチャの馬車に乗り込み、舞踏会へ向かいました。

昔々、ある国にシンデレラと呼ばれる美しく優しい娘がいました。
シンデレラは義理の母と二人の義理の姉から美しさを妬まれ、掃除、洗濯、炊事など、家のことでこき使われていました。

ある時、この国の王子さまが家柄の良い娘を招待した舞踏会を開く事になり、義理の姉二人もたいそう着飾って舞踏会へ出かけていきました。
姉たちの支度を手伝い、見送ると、シンデレラは悲しくなって泣いてしまいました。
「わたしも舞踏会に行けたなら・・・」
すると、どこからともなく名付け親である妖精が現れました。
「泣かないでシンデレラ、舞踏会へ連れて行ってあげましょう」

シンデレラは妖精に言われるまま、カボチャやネズミを用意しました。
そして、妖精が持つ魔法の杖が叩くと、カボチャは豪華な馬車に、ネズミは馬と御者に、トカゲは従者に変わりました。
最後に魔法の杖がシンデレラのぼろぼろの服にふれると、みるまに宝石が散りばめられた美しいドレスに変わりました。

妖精は最後にガラスの靴を渡すと、シンデレラに一つだけ注意しました。
「真夜中を過ぎると魔法がとけて元の姿にもどってしまうからね、必ず12時までに戻ってくるんだよ」
シンデレラは必ず12時までに帰ると約束して、妖精の用意してくれたかぼちゃの馬車に乗って舞踏会へ向かいました。

シンデレラが舞踏会に着くと、その美しさにたちまち注目を集めました。
王子さまもシンデレラに気づき、ダンスに誘います。
「ぼくと踊っていただけませんか?」
シンデレラが王子さまと夢のような時間を過ごしていると、あっという間に時間は過ぎ、気が付けば12時の鐘を打ち始めていました。

「たいへん!帰らなくては!」
王子さまは引き止めましたが、片方のガラスの靴を階段に残してシンデレラはあっという間に消えてしましました。

王子さまは何とかして舞踏会の女性を探し出そうと、国中におふれを出しました。
ガラスの靴がぴったり合う女性を妻にするというのです。
何人もの女性が試し、そのうち、王子さまの使いはシンデレラの家にもやって来て、義理の姉たちも何とかしてガラスの靴を履こうと試しましたが無駄でした。

そこへシンデレラが、私にも試させてほしいと進み出ました。
義理の姉たちはシンデレラをバカにしましたが、なんということでしょう、シンデレラの足にはガラスの靴がぴったりと合いました。
「この方こそ王子さまの探しておられた女性だ!」
シンデレラはお城に連れていかれると、王子さまと結婚していつまでも二人で幸せに暮らしました。
7595 みにくいアヒルの子

冬になり、冷たい雪が降っても、みにくいアヒルの子はじっと我慢をして一人で暮らしていました。
やがて春が来て、ふと水に映った自分の姿を見て驚きました。
なんと、そこには白く美しい白鳥の姿がありました。

「ピヨ、ピヨ、ピヨ!」
夏のある池のそばのアヒルの巣の中で、卵から次々にひなが生まれて、お母さんアヒルは大喜びです。でも、その中に1羽、体がひときわ大きく灰色の子がいました。
「変な子だねぇ。大きくて、きたない灰色じゃないか」

お母さんアヒルは、子どもたちを連れて歩き、ご近所さんに紹介しました。
「なんて不格好な子!こんなアヒルの子見たことないわ」
にわとりたちが寄ってきては、口々に意地悪を言うので、みにくいアヒルの子は逃げ出しました。
とにかく走って、走って、遠くの沼までやってきました。
沼には野ガモたちがいたので、仲間に入れてもらおうとしましたが、野ガモたちにも「変なアヒル!」と言われて、仲間には入れてもらえませんでした。
「どうしてぼくは嫌われてばかりなんだろう…」

季節は秋になっていました。
みにくいアヒルの子がふと空を見上げると、真っ白で大きく、美しい白鳥たちが一斉に飛び立ち、飛んでいくのが見えました。
「ぼくもあんな風にきれいだったら、なかまに入れてもらえたのかな」

冬になり、冷たい雪が降って、川が凍っても、みにくいアヒルの子はじっと我慢をして一人で暮らしていました。寒くて寒くて、何度ももうダメだと思いましたが、冬は過ぎ、やがて春が来ました。
「春が来た!なんて暖かくて気持ちが良いんだろう!なんだか飛べそうな気がするぞ!」
少しずつ羽ばたいてみました。
気がつくと、あひるの子は空を飛んでいました。高い空を飛んでいるうちに、白鳥たちが休んでいる池を見つけました。
勇気をだして、池に降り立ち、白鳥たちに挨拶しました。
「こんにちは、ぼくはみにくいアヒルの子です」
そう挨拶をしてお辞儀をすると、ふと水に映った自分の姿が目に入り驚きました。
なんと、そこには白く美しい白鳥の姿がありました。
みにくいアヒルの子は、アヒルではなく白鳥の子だったのです。
「美しい羽だね」
白鳥たちが近づいてきて、みにくいアヒルの子の美しい羽根をほめ、なかまに入れてくれました。
白鳥になったみにくいアヒルの子は、仲間たちと大空へ舞い上がり、いつまでも楽しく暮らしました。
7596 こびとの靴屋

おじいさんとおばあさんが隠れて見張っていると、二人の小さなこびとがやってきて、 小さな指でとても素早く、上手に靴を作り始めました。
二人はびっくり仰天して目をはなすことができず、こびとたちが靴を作るのを見守りました。

あるところに、心根は良いけれども貧しい靴屋がありました。
とうとう一足の靴が作れる分の皮しかなくなって、おじいさんは翌朝に仕立てようと、夜のうちに皮を切っておきました。

朝になり、仕事をはじめようとすると、一足のくつが出来上がっていました。
靴屋はおどろいて、靴をよく見てみると、一つも悪い縫い目が無く、素晴らしいできばえでした。

まもなくして、お客がやってくると、その靴をとても気に入り、普通より多くお金を払っていきました。
おじいさんはそのお金で2足分の皮を買うことができたので、また夜のうちに切りぬいておき、翌朝仕立てようと思いました。
しかし、翌朝起きた時には、また靴が2足出来上がっていました。
お客たちも気に入り、4足分の皮を買える金額を支払っていきました。
夜に皮を切っておくと、次の朝に靴が出来上がっている、それがしばらく続いて、靴屋は貧乏ではなくなりました。

おじいさんはある夜、おばあさんに言いました。
「誰が靴作りを手伝ってくれているのか、今夜確かめてみないかい?」
おじいさんとおばあさんは、夜になっても起きたまま、部屋の隅に隠れました。
ふたりが隠れて見張っていると、二人の小さなこびとがやってきて、小さな指でとても素早く、上手に靴を作り始めました。おじいさんとおばあさんはびっくり仰天して目をはなすことができず、こびとたちの仕事を見守りました。
こびとたちは休まず全ての靴を作り終えると、素早く走りさっていきました。

次の朝、おばあさんはおじいさんに言いました。
「こびとさんたちは、私たちをお金持ちにしてくれました。私たちは感謝していることを示さなければいけないわ。私はこびとさんたちの服を作るので、おじいさんは小さな靴を2足作ってくださいな」
「素晴らしい考えだね、喜んで作るよ」
こびとたちに贈る服と靴が全部用意できたある夜、いつもは切り取った皮をおいておく作業台の上に、皮ではなく贈り物をまとめて置いておきました。
真夜中になると、こびとたちはいつもどおり靴を作ろうとやってきましたが、材料の皮が無くかわいい服と靴があるだけなので、はじめはびっくりしましたが、服と靴が自分たちの物だと気が付くと、たいそう喜んで着替え始めました。

「これでぼくらも一人前だい!靴屋はやーめた!」
そう歌い、踊って、飛び跳ねて、こびとたちは最後には靴屋から出て行ってしまいました。
その後、もうこびとたちは現れなくなりましたが、靴屋はなにをやっても上手くいき、おばあさんと二人で幸せに暮らしました。
7597 てぶくろ

おじいさんは森で、てぶくろを片方落としてしまいましたが、気づかずに行ってしまいました。
すると、ねずみがやって来て、てぶくろに住み始めました。
そこへカエルもやって来て、「わたしも入れて」「どうぞ、どうぞ」カエルも一緒に住むことになりました。

冬の寒い森の中、一人のおじいさんが犬を連れて歩いていました。
おじいさんは厚手の手袋をしていましたが、ふとした拍子に、おじいさんは手袋を片方落としてしまい、気づかずに行ってしまいました。
手袋はそのまま森の中に残されました。

すると、ねずみがやって来て、手袋に住み始めました。
そこへカエルもやって来て、
「わたしも入れて」
「どうぞ、どうぞ」
ねずみは快く迎え入れ、カエルも一緒に住むことになりました。

次にウサギが現れ、「私も入れてほしい」と言います。
ネズミとカエルは少し迷いましたが、寒さの厳しさを思い、ウサギを受け入れました。こうして手袋の中は、次第ににぎやかになっていきます。
その後もキツネやオオカミ、さらには大きなイノシシまでが次々と現れ、「私も入れて」と願い出ました。
最初は狭かった手袋ですが、動物たちは上手に体を寄せ合い、なんとか全員が収まりました。

最後に、大きなクマがやってきて、「私も入れてくれ」と頼みます。
動物たちは驚きましたが、心を広く持ち、クマも迎え入れることにしました。
クマが中に入ると、さすがに手袋はパンパンに膨らみ、今にも破れそうになります。
それでも動物たちはぎゅうぎゅう詰めになりながら、お互いを暖め合いました。

しかし、そのとき森の奥からおじいさんの犬の吠える声が聞こえてきました。
犬の声に驚いた動物たちは一斉に飛び出し、あちこちに逃げていきました。
その拍子に、手袋はついに破れ、雪の上にぺちゃんこになってしまいました。
しばらくして、戻ってきたおじいさんは破れた手袋を見つけ、首をかしげながら拾い上げました。
「こんなにボロボロになって、一体何があったのだろう」
と不思議に思いましたが、結局そのまま手袋を持ち帰りました。
こうして、動物たちは再び森へ散り散りになり、それぞれの場所で冬を越すことになり、森は再び静けさを取り戻しました。